11/2ハイブリッド開催|次世代半導体製造にむけた自由電子レーザーの開発【北大生・教職員向け】
開催概要
北海道大学・高エネルギー加速器研究機構(KEK)半導体セミナー
日時:2026年11月2日(月)10:30~12:00
場所:北海道大学 工学部 A棟1階1-17室&オンライン(Teams)のハイブリッド
※オンラインでのご参加をご希望の方は以下のご連絡先までお問い合わせください。
世話人: 工学研究院 応用量子科学部門 中性子ビーム応用理工学研究室 佐藤 博隆
h.sato@eng.hokudai.ac.jp
講演概要
講演者氏名: 本田洋介 (KEK加速器研究施設)
講演題目: 次世代半導体製造にむけた自由電子レーザーの開発
半導体の製造技術は、ムーアの法則に示されるように、その発明以来指数関数的な進歩を遂げてきました。集積回路の量産化と微細化が可能になったのは、光リソグラフィ(露光)と呼ばれる微細加工技術のおかげです。微細化に伴って、露光光源の短波長化が進み、スマートフォンのチップなどの製造に用いられる現在の最先端技術ではEUV(極端紫外)と呼ばれる波長13.5nmの光源(現在はレーザー生成プラズマ光源という光源が使われています)が用いられています。今後も半導体の需要は飛躍的に伸びると予想されますが、量産に対応するには、露光光源の出力と電力効率の改善が強く要求されます。そこでKEKでは次世代の露光光源として、加速器技術を応用した自由電子レーザー光源を提案しています。
本セミナーでは、最初に自由電子レーザー(Free-Electron Laser: FEL)についての解説を行います。FELとは、相対論的電子ビームをアンジュレータと呼ばれる周期磁場中で振動させて、高強度なコヒーレント光を発生する技術です。発振波長は、ビームエネルギーやアンジュレータの設計によって決まり、13.5nmにとどまらず、さらに将来の短波長化にも対応できると期待されています。FELの発振の原理から、期待される光源性能について解説します。
次に加速器システム全体についての解説を行います。超伝導加速空洞によるエネルギー回収型線形加速器(Energy-Recovery Linac: ERL)の構成を検討しています。ERLとは、使用後(FEL発生後)の高エネルギー電子ビームをそのまま捨てるのではなく、加速空洞で減速することでビームエネルギーを電磁波のエネルギーとして回収し、次のビームの加速に用いるという方式で、電力を効率良く運転できる次世代の加速器です。KEKではERL型の試験加速器であるcERLを用いて開発を行ってきました。ERLの動作原理と、cERLのこれまでの成果について解説します。
KEKでは2025年4月からJSTのKプログラム研究開発構想「次世代半導体微細加工プロセス技術」に研究課題「革新的な次世代EUV露光用光源の実現を目指した自由電子レーザーの基盤技術開発」として採択されています。本課題では若手人材の公募も行なっています。