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2026-08-10

授業レポート|プロトタイピングラボ演習を実施しました

プロトタイピングラボ演習の概要

大学院共通授業科目「半導体フロンティア人材育成プログラム」の一環として、今年度より新たに開講された「プロトタイピングラボ演習」を、8月5日から7日までの3日間にわたり実施しました。

本演習には、北海道大学の大学院生に加え、室蘭工業大学および北見工業大学の学生も参加し、今回の日程では25名が半導体の製造プロセスについて実践的に学びました。なお、8月末にも同様の実習を演習する予定で、これらをあわせると5学院10コースに所属する学生が参加登録しています。

半導体は日本の重点産業の一つであり、北海道においても関心の高まりとともに人材需要が拡大しています。本演習は、専攻の枠を超えて多様な学生が半導体分野について学ぶことのできる貴重な機会となりました。

プロトタイピングラボ演習に参加した学生らと教員

演習では、工学部L棟クリーンルーム、創成科学研究棟クリーンルーム、先日開所式が行われた半導体実習専用クリーンルームである「半導体プロトタイピングラボ」も活用しました。本ラボは開放的な外観を特徴としており、学生が半導体研究や製造プロセスに興味を持つきっかけとなるよう設計されています。

3階から2階のクリーンルームの様子を見学する学生

実習内容

初日は半導体の基礎知識や製造プロセスに関する講義を受講し、2日目には、フォトリソグラフィ技術を用いて、半導体デバイスの配線・電極パターン形成工程を実習し、微細加工技術の基礎を学びました。3日目には、光学顕微鏡を用いて作製したパターンの観察・評価を行いました。学生たちは、微細加工の基本工程を自らの手で体験することで、半導体製造プロセスへの理解を深めました。

マスクアライナーによる露光工程について学ぶ学生
マスクアライナーによる露光工程について学ぶ学生
光学顕微鏡を使用して試作した半導体デバイスの評価を行う学生

参加学生の声

参加学生からは、講義やクリーンルームでの実践的な実習を通じて、新たな発見や理解が深まったという声が寄せられました。

  • 室蘭工業大学の学生(プラズマ関連の研究に従事)
    「プラズマのエッチング工程に興味があり参加しましたが、他の工程も体験する機会があり、半導体プロセス全体への関心が広がりました。」
  • 北見工業大学の学生(半導体材料・金属関連の研究に従事)
    「クリーンルームに入るのは初めてでした。知識として学んでいた内容も、実際に体験することで理解が深まりました。このような機会はなかなか得られないため、貴重な経験となりました。」
  • 北海道大学大学院理学院の学生(地震関連の研究に従事)
    「『専攻問わず歓迎』とあり、興味を持って受講しました。初日のガイダンスでは基礎的な内容から説明があり、とても参考になりました。クリーンルームに入るのも初めてでしたが、半導体がこのような厳格な環境で製造されていることを実感し、理解を深めることができました。」
実習に参加した学生

教員のコメント

本授業の責任教員であり、文部科学省「半導体人材育成拠点形成事業」の北海道拠点であるenSET北海道の拠点長を務める末岡教授は、「現在北海道では、地域全体で半導体人材育成に向けた取り組みが進められています。本授業は3大学の学生が一堂に会し、実践的な講義や実習をともに経験する貴重な機会となりました。異なる大学で多様な専門分野を学ぶ学生たちが、それぞれの視点から議論しながら、微細加工技術を駆使して半導体デバイスや回路の作製に取り組むことで、多くの学びが得られたものと考えています。今後も連携校との協力を深め、演習に参加できる大学や高専を広げ、この取り組みを一層発展させていきたいと思います」と語りました。

また、半導体プロトタイピングラボ運営室長の松尾教授は、「最近は非常に先端化が進んで非常に狭い範囲で物事を見るという機会が増えてきてしまいましたけれど、学生たちには全体を見て半導体を捉えていただきたいと考えて設計されたラボになります。1つの流れとしてものを作っていけるということで、俯瞰力を持った高度人材の育成も可能となるよう、これからも尽力していきたいと思っています」と 述べました。

北海道では現在、産学官が連携して半導体人材育成の取り組みが進められています。本演習はその一環として実施され、参加した学生たちは実践的な学びを通じて半導体製造プロセスへの理解を深めました。本演習で得た知識や経験が、今後の研究活動やキャリア形成につながることが期待されます。